【後輩や部下とのコミュニケーションスキル向上】正しく指導するために必要なスタンスとは
部下とのコミュニケーションの取り方に悩んだことはありませんか?
特に自分が上位者である場合、部下や後輩の方にもっと成果を上げてもらいたい、そんな時にどんな言葉をかけると良いのでしょうか?
自分が成果を上げるなら自分が努力すればなんとかなりますが、他人の成果を引き上げるとなるとこれがなかなか難しい。努力量が足りたいように見える後輩と、こんなにがんばっているのに評価してくれないと嘆く後輩。
これはある心理効果が影響して、摩擦を生んでいるケースが少なくありません。
この記事を見れば後輩の育成指導の際に、円滑なコミュニケーションを取ることができるようになり、組織運営や組織全体の成果の最大化につなげることができるはずです。陥りやすい摩擦の原因を理解しておくことで、お互い信頼しあった中でのコミュニケーション図っていきたいですね。
それでは見ていきましょう!
☑本記事の内容
2.メタ認知の重要性
3.知識の呪縛とその回避策とは
入社1~3年目に起こりやすい成果のジレンマとは
部下や後輩に、こんな社員はいませんか?
・入社1~3年目くらい
・成果はそこそこ
・達成の常連にはまだまだ届かない
そんな後輩はこんな状態に陥っているかも知れません。
ダニング=クルーガー効果とは
知識のない人間ほど自分には能力があると過大評価してしまう効果のことを指します。
ここでいう後輩は、1~3年程度経験を積んでその経験だけで、仕事の流れをある程度理解したと過信してしまっている可能性があります。
パフォーマンスの全体感をうっすら理解している状態で、全体感を理解している、そんな勘違いが巻き起こす心理的傾向ですね。
自分の中では「そこそこ」成果を上げていることを、「そこそこ」までにしか成果が上がっていない、とは思わないケースが散見されます。
人間誰しもが承認欲求があり、甘い考えを正してくれる人がいないとその甘さに気づくことなく、今の自分はそこそこイケている、いい感じの人間だ。そう思ってしまうもの。
この「ダニング=クルーガー効果」に陥ってしまっているかも知れません。
コミュニケーション上で起こりうる摩擦と回避策は?
この効果に陥ってしまっているのは無意識なので、なかなか本人がその効果に陥っていることに気づきにくいという特徴があります。
そうなると、客観的に自分の事が見えていなかったり、また、現状の成果を他責にしてしまったり、自分以外のところに責任を求めてしまう可能性もでてきます。
指導する側は、その心理を知らないと、その人のことを「成果の上がらない上に言い訳がおおいヤツ」というレッテルと貼ってしまい、その行動だけでなく、その人のことを肯定することができなくなってしまうこともしばしば。
その人ごと嫌いにならないためにも、その年代にはそういう心理バイアスがかかりやすいもの、そう理解しておくことが重要です。
あらかじめそこが理解できていると陥りやすい心理として、その打開策は見つけやすくなりますよね!
メタ認知の重要性
指導者側の立場でできることととしては、頭から否定してかかっても相手の自己肯定感を削いでしまって、より溝が深くなり、結果的に成果の最大化から遠ざかってしまいます。
メタ認知とは自己の認知のあり方に対して、それをさらに認知することである。
その上で何をすべきか?
上記のとおり、後輩の中でのメタ認知を促しその上で自己肯定感を削ぐことなく、行動を促す。そんな世界観を作り出せるといいですよね。
そのために必要な行動としての例を挙げると下記のような点が挙げられます。
1)本人が目指す“目標”や“どうなりたいか”を改めて握り合う
2)それに対する今の自身の立ち位置を正しく認知
3)更にそれに対して最短距離での方向性や速度で進めているかを認知
2)や3)については今携わっている業界に対しての習熟度が高い「あなた」自身の成果や経験、客観的なデータなどを用いてご自身の主観に加えて、客観的な視点での立ち位置を指示してあげると、理解してもらいやすいと思います。
また、後輩が今取っているプロセスについては、後輩がそのプロセスに対して持っているポリシーや考え方があれば、それを尊重してあげる姿勢も重要です。一方でその行動に対して「いつ成果が出るのか」本人の口から公言してもらい、その行動に対する納期も設けるべきです。
公言した納期に求める成果が出なければ、その行動が間違っていた事になりますし、そうなればようやくこちらの要求する行動に耳を傾けてもらえるようにもなります。
メタ認知に対する効果は?
上記の行動は、自分が山の頂点にいるのではなく、まだまだ山の中腹にいることを気づかせてあげるための行動になります。
相手の不足している部分をマネジメント側や先輩は正しく把握し、それに長けている他の社員との接点を持たせてあげたり、自分の持ちうるノウハウを共有してあげたりすることで「課題に対する必要な知識」を欲している状態を埋める作業に転じることができます。
本人が目指す目標に対する伴走者としての立ち位置を示すことができれば、コミュニケーションも円滑になり、組織風土の向上にも寄与するはずです。
知識の呪縛
ダニング=クルーガー効果が発動している後輩であっても、彼らの行動が全てダメな行動かというと決してそうではありません。
彼らは、自身の強みのバロメータの6角形があるとすれば、何か所かの強みが欠けていることで、その成果最大化に苦しんでいる人です。
ダニングクルーガー効果では、その6角形が欠けていることに気づかず、自分は“いい感じ“と思い込んでしまっているという効果。まさに井の中の蛙、の状態であることを学びましたね。
一方で、他の人よりもできている部分に対しても意外と気づかないもの。気づかない理由もきちんと心理学の正解で証明されています。
人よりも秀でている部分に気づかない“知識の呪縛”とは
これは、知識は個人や世代に間で大きく異なるものである、という前提に気づかない際に起こる現象です。
自分が知っていることは他人も知っているだろうという思い込みを引き起こすのがこの現象の特徴です。
自分以外の人が、「自分が知っている知識を知らない人に共有する」という思考になりづらく、知らない側の立場からの思考ができなくなることがあり、これが「知識の呪縛」と呼ばれるものになります。
知識の呪縛に陥っている部下後輩に何をしてあげるべきか?
できている部分や人より秀でている部分をマネジメント側は正しく把握してあげることが大切です。
人よりも努力して勝ち得たものなのであればなおさら、評価してあげることで自己肯定感が高まり、やる気を出してくれるに違いありません。
また、その部分が不足している他の社員との接点を持たせ、知識やノウハウを共有する場を設けたり、全体の場でその行動を称賛するなどする場があれば、知識の呪縛から説いてあげることができ、その人の更なる成果拡大や組織全体の生産性向上に寄与すると思います。
まずは把握し、そしてほめる、更には全体に共有する場を設けるなどして、正しくコミュニケーションを図っていけるといいですね!
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